田んぼ学校
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知ってる?お米あれこれ ―日本の文化とお米のかかわり―「日本人とお米」
講師:國學院大學教授 茂木貞純 先生
はじめにお米はいつから作られた?お米がつくった日本人 ―その1―お米がつくった日本人 ―その2―「いただきます」はありがとうのこころ
5. 「いただきます」はありがとうのこころ

 ごはんを食べる前に「いただきます」と挨拶しますね。では「いただきます」は、なぜ言うのでしょうか。


 ごはんが食べられるのは、お父さんとお母さんが働いてくれたおかげですね。それから農家の人がいっしょうけんめいお米を作ってくれたおかげです。そして、多くの人たちの力によってお米が出来るのは、自然のおかげ、自然のめぐみがあるからです。

 太陽が照って、水があって、それからお百姓さんががんばって働いてくれるから、おいしいお米ができるのです。お魚もお肉も、すべての食べ物は自然のめぐみで生まれ、育ってできたものです。

 「自然のめぐみ」とは言いますが、自然の天候は嵐になることもあるし、日照りになることもあります。自然はわざわいにもなるということです。お米は、とても気を使って作らなければできないものなのです。そこで昔の人は、食べ物はみんな神様のめぐみをいただいているものなのだ、という考えになっていったのでしょう。

 だから皆さんはぜひ、今日からごはんを食べる時ますます大きな声で「いただきます」と言いましょう。そのときにはお父さんお母さん、お百姓さんに感謝し、それから自然を大切にして、自然と神様に感謝をするという心をこめてくださいね。

お米と私たちを繋ぐ絵本 いただきます。

茂木貞純 教授 プロフィール
茂木貞純 教授昭和26年、埼玉県生まれ。
國學院大學大学院博士課程(神道学専攻)修了。
神社本庁に入り、教学研究部長、総務部長などを歴任する。
現在、國學院大學神道文化学部教授、熊谷市古宮神社宮司。
著書に『遷宮をめぐる歴史』(共著・神道文化会)、『神道と祭りの伝統』(神社新報社)、『日本語と神道』(講談社)などがある。


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