皇室WEB
第28回に引き続き、皇室と動物とのかかわりについて紹介する。(98号より)
(公財)山科(やましな)鳥類研究所とのかかわり
皇室には、鳥にかかわる活動をされている方が多い。その筆頭は昭和61年(1986)に(公財)山階鳥類研究所の総裁に就任された秋篠宮殿下だろう。同63年(1988)3月の学習院大学ご卒業後は、(公社)日本動物園水族館協会初代総裁に就任されるとともに、イギリスのオックスフォード大学セント・ジョンズ・カレッジ大学院動物学科へ平成2年(1990)までご留学。平成元年(1989)からは同大学大学博物館とロンドン自然史博物館(当時は大英博物館)にも在籍された。
ご研究のひとつはニワトリの家畜化の過程を明らかにすることで、イギリスご滞在中にはなんと約2000枚以上のニワトリの写真を撮影し、平成6年(1994)に『欧州家禽図鑑』をご出版。ちなみにこの本の巻頭には妃殿下の筆によるニワトリの細密画が掲載されている。
その後、共同研究者らとともにインドシナ半島の赤色野鶏(せきしょくやけい)が世界のニワトリの起源であることをつきとめ、平成8年(1996)9月、ニワトリの起源と家禽化についての研究をまとめた論文「野鶏ガルス属の分子系統及び家鶏の単系起源」で国立総合研究大学院大学から博士(理学)の学位を取得された。
殿下の妹の黒田清子(紀宮殿下)さんも学習院大学卒業後、平成4年(1992)から同17年(2005)まで(公財)山階鳥類研究所で非常勤研究員として13年間勤務し、特にカワセミの繁殖・生態について研究された。
赤坂御用地と皇居での研究の成果を元に、平成10年(1998)に平凡社より出版された『日本動物大百科』のカワセミの項目の執筆をご担当。また、同17年(2005)には、玉川大学出版部から出版された『ジョン・グールド鳥類図譜総覧――Catalogue of the birds in John Gould's folio bird books』の編集を担当された。なお、ジョン・グールド(1804-1881)は、その生涯を通して多くの美しい鳥類図譜を制作したイギリスの鳥類学者。
常陸宮(ひたちのみや)殿下は(公財)日本鳥類保護連盟の総裁をお務めに

常陸宮殿下は(公財)日本鳥類保護連盟の総裁をお務めである。上の誌面の写真は平成26年(2014)5月11日、東京のホテルで開催された第68回愛鳥週間「全国野鳥保護のつどい」に出席された際の常陸宮・同妃両殿下。式典後は会場に隣接する毛利庭園での自然観察会にもご参加。カラスなどの野鳥やヒナを育てているカルガモの様子などをご覧になった。
愛鳥週間は愛鳥思想を広く国民に普及するため、昭和22年(1947)4月に始まり、同25年からは毎年5月10〜16日が愛鳥週間として定められた。「全国野鳥保護のつどい」はその中核行事で、昭和36年からは、殿下が総裁をお務めの(公財)日本鳥類保護連盟などの主催で行われている。現在は、高齢となられた常陸宮殿下のかわりに常陸宮妃殿下がお出ましになっており、令和8年5月10日に行われた第80回68回愛鳥週間「全国野鳥保護のつどい」にも妃殿下が出席された。
高円宮(たかまどのみや)妃殿下はバードウォッチングがご趣味
高円宮妃殿下はご趣味のひとつがバードウォッチングである。鳥が好きになったのは旧姓が「鳥取」であるからとのことで、ご結婚前から鳥に関心をお持ちだった。3人の女王殿下方がお小さい頃は、よくご一緒にバードウォッチングに出かけられたという。
平成16年(2004)には鳥類保護の世界組織であるバードライフ・インターナショナルの名誉総裁にご就任。鳥類を生物多様性の指標と位置づけ、「種」、「生息地」、「持続可能性」、「地域の人々」の4つの側面から保全活動を推進する活動にも取り組まれている。

ご公務にお忙しいなか、現在も熱心に野鳥観察を続けられており、バードライフ・インターナショナル名誉総裁として平成26年(2014)に(公財)日本野鳥の会会長(当時)の柳生博さんと行った対談では、国内外にかかわらず、公務の始まる前の朝の時間帯を、可能であればバードウォッチングに当てている、と話されている。
大学時代は写真部に所属するなど、写真撮影も趣味とされていることから、平成22(2010)年には国内外で撮影された野鳥の姿を収めた『写真集寄り鳥見鳥』をご出版。ご自身で撮影した鳥の写真展も何度も開催されている。
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