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事業報告

鎮守の森みんなの鎮守の森フォーラム

平成26年7月5日、宮城県岩沼市の竹駒神社にて「みんなの鎮守の森フォーラム」を開催しました。
鎮守の森は、地域の人々の心を纏め、お祭りや伝統文化を時代に受け継ぐ重要な場所でもありました。しかし、東日本大震災により、多くの鎮守の森が津波で流されてしまいました。
今回のフォーラムでは、地域の人々の心と伝統文化を繋ぐために今私たちができること、地域の再生とは、をテーマにこれまで行ってきた鎮守の森再生の実例を通して、各方面からパネラーをお招きし、鎮守の森を中心としたコミュニティーのあり方について考えました。

3部構成の第1部では「みんなの鎮守の森植樹祭」で植樹指導をされている宮脇昭横浜国立大名誉教授が講演されました。第2部ではパネルディスカッションが行われ、第3部では第1回の植樹祭が行われた八重垣神社で苗木の生育状況を見学しました。

宮脇氏は「いのちを守る鎮守の森を取り戻そう」と題して講演され、植樹体験者が親となり、子どもに森を残すことが郷土愛や愛国心に繋がることを説明されました。また、過去の植樹祭の活動を写真などで紹介しながら「あなたと、あなたの愛する人の明日のために、頑張って木を植えてほしい」と語っていました。

第2部のパネルディスカッションでは「鎮守の森で地域をつなぐ」が主題となりました。NPO法人共存の森ネットワーク理事長で國學院大學講師の澁澤寿一氏をコーディネーターにお迎えし、國學院大學神道文化学部の茂木栄教授、八重垣神社の藤波祥子宮司、公益財団法人日本財団東日本大震災復興支援現地責任者の黒澤司氏が意見を述べました。

茂木教授は、日本の集落・地域コミュニティが、山宮・里宮・田宮というように山から里や海に伸びる「神様の道」を中心に構成されていると指摘しました。この「道」が震災から多くの命を救ったことに触れつつ、「杜」はもともと「神の依る1本の常緑樹といった概念」だったことを説明しました。

藤波宮司は震災後の境内を見て「まず緑が必要だ」と思ったそうです。社叢が整備されるのを見て、神社の再建を望む被災者から安堵の声が聞かれた旨を説明し、氏子の声を励みに執り行った祭礼が「みんなに理屈ではない力をくれた」と語られました。

被災地でボランティアに励む黒澤氏は、牡鹿半島を例に、被災後も社殿などが多く残っている現状から神社を念頭に置いた避難先の再考を提言し、また、ボランティア活動を機に被災地を好きになって住民票を移す若者が多いことなどを説明しました。

最後に総括を行った澁澤氏は、1本の苗木を植えることが社叢を始め山、里、海を繋ぐ生態系を形づくり、その保全には地域コミュニティによる継承が必要となることを説明しました。祭りを通じて地域の団結を図り、森の大切さ、価値観を養いながら後世に伝えることが重要であると述べていました。

第3部会場の八重垣神社に移動後、参加者はそれぞれ参拝を行い、藤波宮司が挨拶されました。平成24年6月に行われた第1回植樹祭で30センチほどだった苗木は背の高いもので1.8メートル程にまで伸びており、第1回植樹祭参加者の方々は「この辺に植えたけど、どれかな」などと話しながら生長を喜び合っていました。


宮脇昭氏



茂木栄氏


藤波祥子宮司


黒澤司氏


澁澤寿一氏


八重垣神社の植栽地


「みんなの鎮守の森フォーラム」パンフレット(PDFファイル)

事業報告書

開催日 平成26年7月5日(土)13:30~16:30
場所 第1部・第2部 竹駒神社(宮城県岩沼市稲荷町)
第3部     八重垣神社(宮城県亘理郡山元町高瀬笠野)
主催 公益財団日本財団
事業運営 一般財団法人日本文化興隆財団
協力 NPO法人地球の緑を育てる会
後援 神社本庁・宮城県神社庁
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