皇室WEB

今まで、お忙しい天皇陛下のルーティンの「ご公務」について説明してきました。今回は、ご公務とは異なりますが、やはり定期的に臨まれている「宮中(きゅうちゅう)祭祀」もしくは「皇室祭祀」と呼ばれているものについて説明したいと思います。
「祭祀」というくらいですから、これは、私たちが日常、家庭の神棚や神社でお参りしたりすることに該当します。しかし、陛下が望まれる祭祀は、神社で神職たちが執り行うお祭りのように大々的なものなのです。
皇居には、一般の神社に相当すると言ってもよい「宮中三殿(きゅうちゅうさんでん)」というものがあります。なんと、ここで陛下は、古より定められた装束を着けられ自ら祭祀に臨まれているのです。令和の御代(みよ)替わりの時には、皇居で「即位礼正殿(そくいれいせいでん)の儀」や「大嘗祭(だいじょうさい)」といった祭儀が執り行われました。その時、陛下は古式ゆかしい装束を身に着けて祭儀に臨まれていましたが、あの雰囲気を想像していただければ間違いはないでしょう。
以下は、その宮中三殿などで行われる恒例の祭祀一覧です。装束を身に着けるだけでも大変なのに、陛下は長い時間をかけられ、1年間にこれだけの祭祀に臨まれているのです。
1月1日 四方拝(しほうはい) 歳旦祭(さいたんさい)
1月3日 元始祭(げんしさい)
1月7日 昭和天皇祭
1月30日 孝明天皇例祭(こうめいてんのうれいさい)
2月17日 祈年祭(きねんさい)
2月23日 天長祭(てんちょうさい)
3月春分の日 春季皇霊祭(しゅんきこうれいさい) 春季神殿祭
4月3日 神武天皇祭(じんむてんのうさい)
6月16日 香淳皇后例祭(こうじゅんこうごうれいさい)
6月30日 節折(よおり)の儀
7月30日 明治天皇例祭
9月秋分の日 秋季皇霊祭 秋季神殿祭
10月17日 神嘗祭賢所(かんなめさいかしこどころ)の儀
11月22日 鎮魂(ちんこん)の儀
11月23日 新嘗祭(にいなめさい)
12月中旬 賢所御神楽(みかぐら)
12月25日 大正天皇例祭
12月31日 節折の儀
いかがでしょう? 年間に取り組んでおられる祭祀がこんなにもあるのです。次回は、これらの祭祀の内容と、先に記した宮中三殿などについて説明していきます。
第3回(前回)はこちら https://nihonbunka.or.jp/column/koushitsu/detail/100715
第2回 https://nihonbunka.or.jp/column/koushitsu/detail/100714
第1回 https://nihonbunka.or.jp/column/koushitsu/detail/100713