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お伊勢さまの御神木がやってきた!

連載 第7回 愛知県津島市・津島神社
令和8年7月23日


 伊勢神宮(正式名称は神宮)では、20年に一度、御社殿と御装束神宝(おんしょうぞくしんぽう)を新たにして神様にお遷りいただき、神威のより一層の高まりを願う至高の祭典「神宮式年遷宮(じんぐうしきねんせんぐう)」が斎行されています。
 第63回神宮式年遷宮では、令和15年に神様を新宮(にいみや)にお遷しする遷御(せんぎょ)が行われる予定です。令和7年5月から開始されているその諸祭儀の模様は、季刊誌『皇室』の連載「第63回神宮式年遷宮」で詳しくお伝えしています。
 この連載では誌面で紹介しきれなかった令和7年6月初旬の「御神木奉迎送(ほうげいそう)」をご紹介。木曽地方で伐り出された新宮ご造営のための御神木が、およそ1週間をかけ、長野、岐阜、愛知、三重の各県下で熱烈な歓迎を受けながら伊勢へと運ばれていった様子をお伝えします。




津島神社での奉迎祭

 令和7年6月8日朝、愛知県一宮市の真清田(ますみだ)神社を出発した上松町発の御神木(上図の赤色ルート)は、稲沢市、津島市、愛西(あいさい)市を経由して、三重県に入ります。この日はまず、午後に御神木をお迎えする津島市の津島神社を目指しました。

 名鉄津島駅から西へまっすぐ進むと、津島神社の大きな鳥居があり、その向こうに荘厳な楼門(上写真)が見えてきました。重要文化財に指定されるこの楼門は、天正19年(1591)豊臣秀吉公より寄進されたものだそう。古くは津島牛頭天王社(つしまごずてんのうしゃ)と称された津島神社は、社伝によれば鎮座は欽明天皇元年(540)、主祭神に建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)をお祀りしています。全国の天王社の本社であり、とくに疫病除・厄難災除のご神徳により広く崇敬されてきました。愛知県西端に近い津島市は、中世には木曽川河口の湾岸都市として栄え、多くの人や物資が行き交った場所。とくに東海道や中山道から来る伊勢参りの人々にとっては通行の要路にあたり、「津島かけねば片参り」といって、津島にも必ず参詣する慣例だったといいます。

 日曜日の今日、市内では事前に「みんなで御神木をお迎えしましょう」とアナウンスが流れていたよう。その甲斐あってか、境内は大勢の人たちで混み合っています。御神木が到着する予定の南門下へ向かいます。


 南門下の鳥居内には、からくりを搭載した山車(だし)が3両並んでいます。御神木をお迎えするため「尾張津島秋まつり」の山車が特別に曳き出されているのです。この連載で以前お伝えした犬山市での御神木祭でも見られたように、〝山車からくりの宝庫〟といわれる尾張地方ならではの光景です。


 昼過ぎ、御神木に先立って、鳥居をくぐって境内に先導の車列が入ってきました。露払い役の女性神職さんが乗っているのは、白いオープンカー! 華やかで、かっこいいですね!


 続いて、御神木を載せた青いトラックが到着、山車と集まった人々に迎えられました。ここから奉迎祭の会場まで、ゆっくりと進みます。


 木遣(きやり)で露払いをつとめるのは、津島市のお隣、あま市の漆部(ぬりべ)神社木遣(きやり)保存会の方々。この木遣のお囃子(はやし)の掛け声には、かつて木曽川の水運で伊勢へと運ばれた神宮の御用材を言祝(ことほ)ぐ意味が込められているとか。この日披露されたのは、今回の奉迎祭のために新たにつくられた歌詞による木遣唄のようです。


 御神木が目の前にやってくると、待ち構えた人たちが歓喜して日の丸の小旗を振り、拍手とスマホのシャッター音が響きます。


 通り過ぎざま、ドライバーさんがこちらに笑顔を向けてくれました。連日の大役を「かみしめてます」とのこと。伊勢までおつとめよろしくお願いします!


 御神木のトラックは境内南門下の広場に停車。しばしこちらに留め置かれます。


 御神木を前に設けられたテント内に参列者が並び、奉迎祭が行われました。お昼休憩の後、御神木のトラックは人々に見送られて津島神社を後にし、この日夕方には県境の木曽川を越えて三重県に入ります。


(次回に続きます)

[取材・文/中尾千穂]

第6回「愛知県一宮市・真清田(ますみだ)神社」は↓
https://www.nihonbunka.or.jp/column/koushitsu/detail/100898
第5回「岐阜県岐阜市・金(こがね)神社」は↓
https://www.nihonbunka.or.jp/column/koushitsu/detail/
第4回「愛知県犬山市・針綱(はりつな)神社」は↓
https://www.nihonbunka.or.jp/column/koushitsu/detail/100877
第3回「木曽から伊勢へ向けて出発」は↓
https://www.nihonbunka.or.jp/column/koushitsu/detail/100876
第2回「護山(もりやま)神社での御神木祭」は↓
https://www.nihonbunka.or.jp/column/koushitsu/detail/100871
第1回「上松町(あげまつまち)での『お木曳(きひき)行事』」は↓
https://www.nihonbunka.or.jp/column/koushitsu/detail/100628

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