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6 リードの調整①刃物が大事
和紙が外れると、吹口の反対側、つまり図紙を巻く部分(篳篥本体の中に入る部分)に(ナイフで)印をつけました。端から1.5~1.8センチほどのところです。

そしてそこから吹口までの表皮をナイフで剥ぎ、ナイフの刃を立ててつるつるになるように削りました。

図紙を巻く部分(篳篥本体の中に入る部分)の表皮も18ミリの半分の9ミリを削りました。この9ミリの部分に図紙とは別の細い和紙を張り、図紙のズレ防止とするのです。

新屋さんはすいすいと刃物を使ってさっさと作業していきます。
次は吹口の部分をさらに薄く削りつつ、先端をゆるやかな山形に整えます。
「山形のほうが空気を吹き込みやすいので、リードが振動しやすくなるんですよ。より息が入りやすいように、幅の細いリードほどカーブを急にします」

山型に整えると、リードの途中に印をつけました。この印は、本連載「3 篳篥本体の作り方」のところでも説明しましたが、セメという重要パーツがセットされる位置とのことです。セメについては後述します。

新屋さんは、セメが位置するところから先端にかけての部分を慎重に薄く削っていきます。少しでも力加減を間違えば、吹口部分の葦が割れたり、薄くなりすぎたりしそうです。
「深く削りすぎて、リードをダメにしてしまうこともしょっちゅう(笑)。刃物が大事なんですよ。よく切れる刃物を使わないとリードは作れない。リードを作り始めた頃はひたすら刃物を研いでましたね。僕は用途によって刃物を使い分けていて、この工程の刃物だけでも4~5本は持っています。既製品を買ってきて研いで自分好みに調整するんですよ」


この時点で、リードのどちら側を上唇側にするかは、まだ決めていないそうですが、基本的には触った感じで柔らかいほうを上、固いほうを下にするそうです。

(次回更新:11月19日掲載予定 取材・文/岡田尚子)
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